Tumor Mutation Burden 遺伝子変異量と頭頸部癌

TMBとは、がん細胞が持っている遺伝子変異の数

百万個の塩基(メガベース)の中にいくつの遺伝子変異があるか(/Mb)で表す。

がん腫により、遺伝子変異の多いもの(メラノーマ、非小細胞性肺癌←とくに喫煙などが原因となるもの)、少ないもの(急性骨髄性白血病

 

頭頸部癌もTMBが多いがん腫

 

TMBが多いと免疫チェックポイント阻害薬が効きやすいという事象を簡易的に考えると、遺伝子変異が起こると異常なアミノ酸が産生され、それを排除するための免疫機構が働く。遺伝子異常が多いほど、異常なアミノ酸の数も増え、その結果様々な免疫反応が起こりやすい。それゆえにICIが効きやすいといわれる。

甲状腺全摘後の偶発的切除された副甲状腺の検討

www.sciencedirect.com

 

170例の甲状腺全摘

中心領域郭清または側頸部郭清を受けている

 

術後低カルシウムの定義は

一時性:血性カルシウム<8㎎/dl

永続的:正常以下のiPTHおよび/または術後1年以上時のビタミンD補充あり

 

 

結果

一時的な副甲状腺機能低下 51%

永続的な副甲状腺機能低下 6%

 

病理:47例(28%)の患者の病理標本から副甲状腺が発見された

腺全体は33例 19.4%

腺の一部は14例 8.2%

 

 

 

 

甲状腺・副甲状腺術後の合併症 危険因子の抽出

甲状腺副甲状腺手術に関わるビックデータ解析
 
甲状腺全摘後の副甲状腺機能低下:ビタミンDの内服状況で定義 危険因子の抽出
甲状腺副甲状腺手術後の予期せぬ手術(気管切開、創処理) 危険因子の抽出
エナジーバイスの利用の有無はどうか。
副甲状腺手術後のハングリーボーン症候群の頻度、危険因子:カルチコールの1週間以上の点滴 で定義
副甲状腺術後の成否状況:病変切除の不成功による再手術、再投薬、その危険因子
特に多腺病変手術の場合と単腺手術の場合、術式でソートできる
 
それぞれの危険因子とこれまで言われてきた因子がビックデータで抽出できるか

甲状腺・副甲状腺手術における術後出血の検討

伊藤病院のデータ

術後出血の危険因子として性別,年齢,BMI,術式,初回手術時の出血量,surgical energy deviceの有無,疾患,手術時間について検討した。性別のみが危険因子 男性1.9%,女性1.1%(p=0.046

考察より抜粋

出血に関連する因子として,高齢,男性,バセドウ病に対する手術,良性疾患に対する手術,抗凝固薬などの使用などの報告[,,

 Suzuki  S,  Yasunaga  H,  Matsui  H, et al.: Factors Associated With Neck Hematoma After Thyroidectomy:A Retrospective Analysis Using a Japanese Inpatient Database. Medicine (Baltimore) 95:e2812, 2016

 

①次の論文から因子を抽出する

術前の内服状況はどこまで調べられるか。

    •  3) Hosseini M, Otaghvar HA, Tizmaghz A, et al.:Evaluating the time interval for presenting the signs of hypocalcaemia after thyroidectomy. J Clin Diagn Res 10:PC19-PC22, 2016
    •  4) Hallgrimsson P, Nordenström E, Almquist M, et al.:Risk factors for medically treated hypocalcemia after surgery for Graves’ disease:a Swedish multicenter study of 1,157 patients. World J Surg 36:1933-1942, 2012
 
③ハングリーボーンの危険因子 発生頻度 入院期間も調べたい

Risk factors and clinical course of hungry bone syndrome after total parathyroidectomy in dialysis patients with secondary hyperparathyroidism | SpringerLink

 perioperative laboratory parameters including serum calcium, phosphate, alkaline phosphatase (ALP) and parathyroid hormone (PTH), drug treatment for SHPT and operative details of parathyroidectomy

 

Young age, high body weight, high preoperative ALP level, and low preoperative calcium level independently predicted the development of HBS while preoperative PTH and use of cinacalcet or paricalcitol did not.

原発性副甲状腺機能亢進症の病理型

思いついたこと

 

教科書的には原発副甲状腺機能亢進症の80%は腺腫、20%は過形成で多腺病変だというが、経験上、過形成の多腺病変に出会ったことがない。

 

生化学型で発見されるようになったため、病態が変化したのか、日本人の特殊性があるのか。

これもビックデータを活用して現状を評価したい。

 

手術術式で割合を出せそう。

その術式ごとに術後のハングリーボーンの頻度や、再手術・再投薬の有無を調べる。

ビックデータを用いた甲状腺手術関連論文

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

血腫の定義が分からない

その他の背景因子はマネする。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

ビックデータではないが、カルチコールの使用方法についての考察がある。

カルチコール使用群と不使用群に分ける。

使用群の中には、予防群と一過性低下群、永続的低下群が含まれる。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

副甲状腺病変術後のHungybone症候群の頻度や危険因子について、これもビックデータで解析できそう

HB症候群の定義は、副甲状腺摘出術後1か月以内の任意の時点で発生した、2.1 mmol / L以下の補正血清カルシウムレベルを伴う重度の長期低カルシウム血症とされている。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

原発副甲状腺機能亢進症(PHPT)のために副甲状腺摘出術を受けている患者の約13%は、術後に空腹骨症候群(HBS)として知られる状態を発症

 

1週間以上カルチコールの点滴が必要とか、が良いか。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

スウェーデン甲状腺術後の副甲状腺機能低下、いちばんまねやすい論文かも

12.5%の結果

 

SHPTの術後、ビタミンDが必要か、シナカルセトなど再開か、薬剤全く不要か。

PHPTの術後、再手術の率?